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七夕

※湊吾と反町の牽牛&織姫パロです。



七夕




 一年に一度の逢瀬。
 逢いたくて、瞳を交わしたくて、触れたくて。
 焦がれ続けた日々が、今、ようやく報われた。
 私を輝かせることのできる、たった一人のひと。
 駆け寄ってくるその姿に飛びつきたいのはこちらも同じなのに、全身を見つめたくてつい歩みがのろくなる。
 僅か見上げる高さにある灰緑の瞳。
 その中に映るは、自分の姿だけ。
 こんな至福があろうか。

「……お久しぶりです」

 なにゆえこんな可愛げのない言葉しか出てこないのだろう。
 素直でない我が身が恨めしい。
 それでも、湊吾は心底嬉しそうに微笑んで、

「会いたかった」

 そう、言ってくれた。
 この声。
 鼓膜を揺るがせ、心を揺さぶるこの、声が。
 愛しくて愛しくてたまらない。
 この声が聴きたかった。




 逢いたいのに逢えない、焦れったい時間がようやく終わりを告げた。
 いまだ星粒のような人影であるのに、衝動のままに湊吾は駆け出す。
 愛しいひと。
 素直になれない可愛いひと。
 華奢な身体から溢れ出んばかりの愛を、自分が感じていないとでも思っているのだろうか。

「お久しぶりです」
 
 素っ気無いとも取れる言葉に含まれる深層の意味を、自分が解らないとでも言うのか。

「会いたかった……」

 なかなか察することの難しい無表情の中に見え隠れる感情を、違えることなく汲み上げてやる。
 自分への愛しさを溢れさせる痩躯を、湊吾は力いっぱい抱きしめた。


 364日。
 逢えなかった時間を、たった一日に凝縮させる。
 一時間に、一分に、一秒に、この愛を込め存在を確かめ合う。
 時間をほどいて千々に細かくして組み直し、一日をながにしてしまいたい。
 指先が離れたこの一秒後に、もうあなたに会いたくなってしまっているのに。
 あまに流れるこの川に乗って、二人でどこかへ駆けてしまえば、この手を離さなくてもすむのだろうか。
 二人で、どこか二人きりの世界へ。
 愛しいひとを離さなくてもすむ、そんな世界へ。





プラセボ】こち様への贈呈品。イラストからのイメージテキスト。
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Date:2013/06/01
Trackback:0
Comment:0
Thema:BL小説
Janre:小説・文学

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